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VRヘッドセットを買った話

急に頭が狂ってVRヘッドセットを買ってしまいました。 10月に発売された新型の Meta Quest 3 です。 昔、漫画喫茶になぜか設置されていた Htc Vive を試してみたのが 2017 年頃の話なので、実に 5 年ぶりくらいの VR 体験になります。

ところで、近所のエディオンで買ったのはいいんですが 店頭に Quest3 のポスターは貼ってあるものの棚にかかっている購入カードはなぜか Quest2のみ、店員さんに直接聞いてみたら奥から Quest3 を持ってきたんですがこれってどうなのよ…… 旧機種の在庫を先にさばきたいのはわからなくもないですが、売ってる商品を隠すのってアリなの?

ちなみに内蔵ストレージ容量の違いで 128GB, 512GB の二種類あるのですが、普段PCでゲームをやる人なら128GBで十分だと思います。 というのも、HMD内臓のストア機能で購入したアプリはHMD内部のストレージにインストールされるのですが、Oculus LInk 機能で PC と有線 (無線でも可) 接続した場合は PC のストレージにインストールされるためです。 また、普段から PC ゲームをやる場合はゲームは Steam で購入するでしょうからますます HMD 側のストレージにインストールする機会は少なくなるでしょう。

Oculus Link といえば、PC ゲームを遊ぼうと考えている人は有線接続を考えると思うのですが PC 側のマザーボードから Type-C の USB 端子が生えている場合は純正ケーブル一択です。 調べたところ非純正の CtoC でも動作はするようですが、電源供給が正常に動作しないというトラブルが多いようです。というか USB 3 以降は (おおかた政治的な理由で) 余計な仕様ごちゃごちゃいれるからこんな無駄なトラブルの原因になるねん。 また、マザーボードからピンヘッダでケース前面に出してるUSB端子とかハブ経由で挿すのもトラブルが多いようなのでやめたほうが良さそうです。

私は残念ながらType-Cが出ていなかったので、AtoCで接続しています。 アマゾンで買った紙箱に雑に入った胡散臭いケーブルで一応問題なく動作しているのですが、5m という USB3 規格外の長さのケーブルなので自己責任の領域に突入しているのがちょっと不安。規格ギリの 3m でも直線距離なら余裕で足りるんですが、振り向いたり体の向きを変えた時に余裕がなくて絡まったりするのが怖かったので。

また、実はケーブルを用意しなくても Air LInk 機能で PC と接続することも可能です。うちは無線ルーターが古くて 11n なので、接続時に「要件を満たしていない」という渓谷が表示されるのですが、接続自体は一応可能でした。 この時、画面の描画処理はPC側で行ってHMDへは画面を転送する形になるのですが、圧縮が追いつかなくなるような画面全体を激しく再描画するようなアプリでなければ 11n でもまあまあ動作しました。現行規格である 11ac/11ax ならレースゲーとかでなければ余裕で行けるのではないかと思うので、まず無線接続を試してみて、駄目なら改めてケーブルを買うのでいいと思います。

それはさておき、いざ電源を入れて初期セットアップとなったのですが、その手順が

  1. 箱に書いてあるQRコードをスマホで読み込んでOculusアプリをインストール
  2. アプリ内でMetaアカウントを作成
  3. スマホアプリのセットアップ過程で、画面にQRコードが表示される
  4. HMDを起動し、HMDのカメラ越しにスマホに表示されたQRコードを見る。そうするとスマホ側で設定している無線LANやMetaアカウントの設定がHMD側にコピーされる
  5. HMDに表示されるアクティベーションコードをスマホアプリ側に入力してセットアップ完了

という内容で、この段階ではHMD側のコントローラーを極力使わないようにしているのは面白いと思いました。 残念なのはセットアップ手順自体が全体的にバグってる臭くて、 途中スマホ側でHMDのPINコードを設定するのですが、これを使う機会は結局一度もなかったり、最後のアクティベーションコード入力も アプリからHMDの接続が初回は必ず失敗して、そこから再試行するのではなく「戻る」でコード入力画面に戻らなければならなかったり「わかるかこんなもん!」と言いたくなるような状態でした。

HMDの感想としては、まず光学系がパンケーキレンズになったことで、フルネルレンズ特有の視界の縞模様から解放された点は大きいと思います。 前に試したViveはこれが本当に気になったので嬉しいところ。 あと、HMDの位置や角度を検出するためのセンサーを部屋の隅に置かなくていいのでトラッキング精度とか大丈夫かと思いましたが、思っていたより精度が高くてびっくりです。 サンプルゲームとしてインストールされている「First Encounter」はリアルの壁に穴が空いてその向こうから宇宙人が攻めてくるゲームで、内蔵カメラで周辺を撮影して壁や家具の位置を検出、そこに穴の向こうの別世界を重ね合わせているのも違和感ない一になっていてすげえ!!と感動しました。

HMD自体の解像度も十分高くて、ランチャーのGUI内の日本語表示なんかも割と小さめの文字であっても潰れずにちゃんと読めます。 さすがにテキストエディタとかは無謀だと思いますがある程度実用的なアプリも使えそうな気がします。 以前どこかの展示会でNTTデータがVR会議室の提案をデモしていたのですが (このときのデモ機もViveだった)、その時はフルネルレンズの問題もあって文字がすごく読みづらかったのですが、Quest3 くらいの解像度なら実用になるんじゃないかという気がしてきました。 「めたばーす(笑)」のようなアバターチャットはいらねえだろと思っていたのですが、自動音声起こしからのリアルタイム翻訳の字幕表示なんかは中国人と会議する機会も多かろう会社なら普通に便利でしょうし、ローカルのデスクトップで開いてるウィンドウがVR空間の手元にカード上に表示されていて、これを他のアバターに投げつけるとその人との間で画面共有されるのはUIとしてもオモシロイと思っていました。 「Excel方眼紙を生贄にマクロ塗れExcelを召喚!ライフを破壊!!」と遊戯王みたいなノリで会議ができるわけですな。 あとフルスクリーンじゃないと見れたもんじゃないクソカスExcel資料をVR空間なら広い視界に並べて表示できるのも不本意ながら便利だと思いました。

というかTeamsの会議室機能ってなんであんな使いにくいんですかね。 普段のUIと会議室画面で別のアプリを無理やりマージしたんじゃないかってくらい行き来し辛いのはなんなんだアレ。

今のところ既に持っていたゲームで VR 対応のものを遊んでみただけなのですが、 そもそも長時間根を詰めて遊べるデバイスではないので時間をかけてぼちぼち遊んでいこうと思います。

Steam の対応ゲームを見ていて思ったのですが、海腹川背とか閃乱カグラ PBS が VR 対応なのは意外でした。というかこれ VR 対応して何するの?


ぎゃる★がん2

まず最初に試してみたかったのはこれ。 正直それほど期待はしていなかったのですが、いざ試してみると思っていたより遥かに没入感がすごかった。 元々アニメ調のデザインで、背景のオブジェクトは (おそらく意図的に) のっぺりしたかんたんモデリングなのですが、そのおかげか特に奥行きが強調されてその空間の中にいる感じがするんですな。

ちなみに前述の無線接続でも遊んでみたんですが、大体のところは問題なく行けるのですが 人物が喋っている間に他所を向いたりすると画面の再描画と音声で帯域が足りなくなってセリフがおかしくなったりしました。

ただ前作までのレールシューターではなく全方向自由に向けるようになったせいでゲーム的な嘘 (たとえばさっきまで遠くにいた娘が突然足元から飛び出してくるような) ができなくなってしまってゲームとしてはつまらなくなってしまっているのが残念です。 あとHMDのコントローラを使う都合上照準がぶれまくるので、照準固定してショット連打する必要があるドキドキモードが無茶苦茶やりづれぇ!!

余談ですが、女の子のスカートをローアングルから覗き込むと画面が真っ暗になるという規制が入るのですが (XBOX 対応のためだとか聞きますが、 インティ・クリエイイツ社側も広報が何かと問題起こしているのは有名なので一方的に信じるのもどうかと思いますが) 、 これのせいで背後から押し倒し攻撃を食らうと急に画面が真っ黒になって何が起きたかわからなくなる (押し倒された状態で股間を踏みつけられるので、必然的にスカートを覗き込むアングルになるため) というのはテストしてて気づかなかったんですかね?


その一方で、プレイ可能空間内であればリアルで移動すれば画面内の本来の立ち位置から移動できるため、女の子の背後に回って肩の後ろから胸の膨らみを見下ろして眺めるという嬉しすぎるアングルは規制無しで楽しむことができます。 ポリコレ対策の規制など所詮はリビドーを理解せぬマニュアル対応よな!


本来の立ち位置からリアルで移動してパンチラポジションを探すのも VR ならではの楽しみ方だぜ!

Google Earth VR


まえに漫画喫茶でViveを試した時にも遊んでみたやつ。 3D の地図を見るだけなら PC 版の Google Earth Pro や現在ではブラウザの Google Maps でも事足りるのですが、HMD で無限の広さのジオラマを見下ろせる爽快感は PC の画面とはまた違っていいものです。

ストリートビューにも入れますが、映像はブラウザ版と同じものを使っているので さすがに本物の空間のようだ!とはいきません。あと Google カーのカメラ高の都合上、身長 2m くらいになります (笑)

VR コントローラで操作するのでブックマークが死ぬほど使いにくいとか、GPS ログのインポートができないという至極当たり前な制限はあるものの、VR 体験の最初の一歩におすすめのアプリです。 あとリアルでコントローラを持っている位置に VR 空間内でもコントローラが表示されて操作ガイドが常時表示されるという UI は非常にわかりやすいので他のアプリも真似してほしいです。

Euro Track Simulator 2

Project CARS

そもそも HMD を買ったのは ETS2 を VR でやりたいというのがあったんですよ。 あったんですが…酔った。信じられないほど酔った。 駐車場からスタートして道路を曲がって信号で停まるという、時間にして 1 分も無いくらいで目を開けてられないくらい気分が悪くなった。 Project CARS も酔ったんですが ETS ほど極端ではなく、こちらは鈴鹿を 1 周するくらいは走れました。

ETS のほうは特に加減速のときの違和感がすごかったです。 想像なのですがほぼ周辺の景色しか見えない CARS と違ってトラックの内装が見えているので、 自分が車の中にいると強く認識されてしまうのに実車の運転で起こる加減速 G が全く無いという点、 CARS は基本サーキットなので壁や建造物は比較的遠いのに対して市街地なので周りの景色が近いという点が大きいのかと思いました。 でもこれが駄目だったら Forza Horizon も無理だろうな……残念。

DMM動画

やっぱり VR ならエロだよね!ということで DMM.com でエロスな VR 画像サンプルを試してみました。 ……立体感が無くはないんですが…没入感はないな。 実写 VR の解決困難な問題の一つとして、被写体が近くなるほど閲覧者の実際の目の幅と撮影時のカメラの幅の誤差が大きくなって映像がおかしくなるという点があります。 AV はまさにその問題がモロに出てしまって。キスシーンとか女優の顔が千円札の肖像画を折り曲げたみたいになっとる!というおかしな見え方になって思わず真顔になってしまいます。 あとまあ AV で全方位見てもしょうがないだろってのはあるんですが、360 度動画じゃなくて前方180度なんですね。おそらく黒塗りになってる後ろ半分にスタッフとか他の機材が隠れているんだろうなと。

ところでこういう VRAV ってどうやって撮影してるんでしょうかね。 男優の頭に VR カメラ付けて、ロボみたいになってると思うとちょっとおもしろいのですが。

傾向としては自分が世界の中心に固定で周辺が動くタイプのアプリは比較的快適なのですが、自分が空間内を動くタイプだと酔いやすいように思えます。 ということは Skyrim VR も酔うタイプということか…これも楽しみにしてたんですが……。


仕方ないとは思うのですが残念な点は、Steam VR のランチャーが別なのは (そもそも他社製の Oculus とは無関係なアプリなので) 仕方ないとして、 HMD 内臓のランチャーとPCと接続したときの Oculus ランチャーが別なのはわかりにくいと思いました。 特に Oculus から純正ランチャーに戻る時は「Oculus Link を無効にする」を選択しなければならず、一瞬PCとの接続設定をまたやり直さなきゃだめなの?と思いました。 (実際には Oculus Link アプリを終了するだけなので、純正ランチャー側から「Oculus Link を起動」すればまた接続できる)