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ASUS PN40

年末年始の暇つぶしとして、自宅サーバの世代交代をすることにしました。 今時VPSが安価で借りられるとはいえ、実験用に使えるような性能となるとやはりそれなりのお値段はするものなので 引き続き自宅に物理鯖を立てることにしました。

2007年頃に購入し、レオパレス時代の半年程を除いて常時稼働していた ピノー Sizka Pro から、 ASUS PN40 になりました。いったい何世代飛んだのやら。


本体サイズは概ね 12cm * 12cm * 5cm で、Sizka とほぼ同じサイズ、Celeron N4000 を搭載したファンレスモデルです。 日本では同サイズで Core i3-8130U 搭載の代わりにファン付きになった PN60 しか販売されていないので Amazon.com から購入しました。 日本でファンレスを購入したいのであれば一つ大きいサイズの PB40 しかないようです。 つーか、今時はパソコン本体が送料、転送手数料込みでも200ドルしないで買えてしまうのですね。 酷い時代になったものです。


本体のサイズ感としては、だいたい CD のケースと同じくらいのサイズと考えれば判りやすいです。

公式のスペックだと PN40 は CPU や背面のオプションインターフェイスにバリエーションがあるようですが、実際には CPU は Celeron N4000、オプションインターフェイスは COM ポート一択です。 オプションの切り替えがしたければ多分米国の公式販売店に直接電話注文するしかないです。 個人的には J5005 と VGA ポートの組み合わせが良かったんだが…

内蔵メモリスロットはノート用の DDR4 が 2スロット。最大 8GB まで搭載可能です。 Pentium J5005 は最大 8GB といいつつ 32GB まで認識可能だったりするし、ECS LIVA には (N4100 ですが) 16GB 搭載モデルがあったりするのですが 流石に大手の ASUS は「大人の対応」で 16GB を挿しても 8GB しか認識しませんでした。

ストレージは M.2 と SATA (6Gbps) が使えます。 SATA は後々データ用の SSD を挿したいので、とりあえず OS をインストールするために M.2 を挿しました。

ここで私のパソコンの知識が 2001 年くらいで止まっているせいで無駄に苦労してしまいました。 まず M.2 接続の SSD は SATA 接続と PCI express 接続があるという事を知らず、私が買ったのは後者の SSD (NVMe 1.3 PCIe Gen3.0 512GB) だったのですが 起動時の BIOS (UEFI) で認識しませんでした。 UEFI 画面の起動デバイス優先順の設定でも 「M.2 接続無し」 と表示され、USB メモリから起動した Ubuntu Server のインストーラでも 「インストール可能なデバイスが存在しない」的なエラーになりインストールできませんでした。

ネットで調べると起動時に "nvme_load=YES" オプションを追加する、マザーボードの M.2 互換性モードを AHCI にする、RAIDモードを有効にする、 といった対策記事を見かけましたが、いずれもうまくいきませんでした。 というかマザーボードにそんな設定一切なかったし。

途方に暮れてショップに持ち込んで調べてもらったところ、

というところまで判りました。特に最後の「Windows 10 のインストーラから認識している」 という点から Ubuntu Desktop の Live CD を起動してそこからインストールを試みたところ、 無事に認識してインストールすることが出来ました (Server ではなく Desktop になりましたが)。 Server のインストーラでは必要最低限のドライバで起動するために PCI Express 接続のデバイスは認識しなかったようです。 同様に UEFI の画面でも SATA 接続のデバイスを挿した場合しか認識しないようです。 (ASUS の互換性リストはあくまで Windows 10 を対象とした動作確認なので、UEFI から見えない場合でもインストーラから認識できれば OK になっていたようです)

こんなしょうもないトラブルのために時間をとって対応してくれたアプライド松山店の店員さんには 忙しいときに申し訳ありませんでしたと言わざるを得ない……。


さて、肝心の使い心地なのですが、まだほぼ OS を入れただけの状態で、使うにしてもほぼターミナル越しなので使い心地も糞もないのですが ストレージは流石に速い。 今まで鯖をインストールしたような環境がコンパクトフラッシュだったり USB メモリだったりすることが多いので 比較すること自体おかしいのですが、ミニマルインストールと間違えたかと思うくらいの短時間でインストールが完了しました。 省電力型の Celeron なので計算能力自体は低いはずなのですが、 DDR4 で足回りが早くなっているので Geode の Sizka は当然の事、AMD E-350 で動いでる別のサーバよりも反応は良い感じです。

LXD をインストールしてコンテナをいくつか立ち上げてみた段階ではコンテナ側もさほどレスポンスが悪くない感じです。 一人で使うアプリ鯖なのでコンテナを立てまくるといってもせいぜい数個、 最大負荷になってもたかが知れているとはいえ、このファンレスサーバでどのくらいの用途まで耐えられるか楽しみです。