15年越しのエース
Steam のウィンターセールに上がっていたので年末年始を空で過ごそうと今更ながら買いました。 「ACECOMBAT 7 SKIES UNKNOWN」 思えば「ACECOMBAT ZERO」から14年ぶりのエスコンシリーズですが、ひとまずキャンペーンはクリアしました。
PS2 から画面解像度が上がっているせいもあって、今となっては型落ちミドルエンドの 1060 でも圧倒的に高画質になっていて 遠景の美しさや光源処理の表現力が遥かに進化していると思いました。 コックピットの計器類もめっちゃ動く!
AC シリーズはメインの空を飛ぶ部分だけでなく、ブリーフィング画面で表示される作戦支援システムのような 作中描写のハッタリも見どころなのですが、これも解像度が上がってより「それっぽい」描写になりました。
ミッションで使用する機体はスキルツリー形式で、特定の機体を持っていればそこから派生する機体を買えるというシステムを取っています。 今回はベルクト無いの?と思ったんですが、 S-37 じゃなくて Su-47 に名前が変わった (というか正式名になった?) んですね。 前進翼はいいぞ。
このスキルツリー画面も見栄えはいいのですが、機体だけじゃなくて強化パーツもツリー内に組み込まれてるので 欲しい機体に対してその前の機体が遥か彼方になってるのは解りづらいです。というか戦闘機の開発によって新技術が開発されてそこから新たな機体を開発する、 という点でリアリティを表現したいんでしょうが、単に見辛いだけになってるのが悲しい。 画像だと F-35C → F22 → X-02 は判りやすい方なのですが、東側機体のツリーだと 2本のツリーが長々と並走してる上に途中で折れ曲がってるので判りづらい事この上ないです。
しかし肝心のミッション内容については、かつてのエスコンファンが制作側になったというかエースコンバットの二次創作とでもいいますか、シリーズのお約束に甘えすぎと感じました。
全 20 ミッションで低高度侵入 4 回もやらせんなよとか無駄に難易度の高いトンネル潜りとか 地上施設攻撃ミッションは例外なく追加任務でドッグファイトがあるから攻撃機の活躍する機会がないとか 無駄にストレスフルなレベルデザインも大概なのですが、既に至るところで指摘されているように キャンペーンミッションの難易度が異様に高いのも宜しくないです。 特に規定スコアまで戦果を上げるミッションに対してはほんとに最初から通してテストプレイした? 全ミッション F-22 でテストしてない? って思うほどで、ミッション 6 の敵基地偵察で心折れた人もいるのではないですかね。
1 周目だと足の遅い機体しか無いので補給に帰ると戻ってくるまでに 2 分近いロスになるのは作戦時間 15 分しかないのに致命的ですし、 ブリーフィングの内容を真に受けて対地戦闘に強い A-10 なんかで出てきてしまうと後半の追加ミッションで無人機の群れ相手に詰むという。 そしてそもそも 1 週目で操作に慣れてないと機銃での殲滅もままならないのでミサイルで狙うために大回りすることになってさらに時間をロスするという悪循環。
AC04、5 で対地ミッションが簡単すぎるという意見が多かったからこうなったんでしょうが、 本来の任務内容である地上目標を無視してマルチロールか戦闘機で単価の高い航空戦力を優先するのが正解ってのは いくらなんでも駄目だろって感じです。
さらに進むと友軍機を護衛して目的地点まで到達させるというのがありますが、ここもミッションの指示に沿って護衛機と並行しつつ AWACS (早期警戒機) が発見した敵兵力を順次迎撃、としているとそこまでの被弾で後半の迎撃機に落とされてしまうので 護衛対象を放置、先行して対空施設群を全滅させるのが正解という。 確かにに過去シリーズでもお約束な攻略方法ではあるのですが、シナリオ無視の効率プレイを前提にするなよと思いました。
そもそもその面倒くさい護衛対象が AWACS からして「護衛する価値があったとも思えんがな」 と吐き捨てるようなクソ司令なので 失敗するごとにどんどんやる気が失せてプレイが雑になっていくという。
今回の新要素として雲に突っ込んだときのロックオンキャンセルや着氷、被雷といった気象の影響があるのですが、これもストレス要素にしかなってないのが残念でした。 回避可能な障害物としてあるならまだやりようがあるのですが、切り立った奇岩地帯で僚機を助けるために最短距離で雷雲の中を突っ切らなければならず、 しかも被雷すると強制機首下げが発生する上にロックオン不能になるという。
砂嵐でレーダーが効かない状態での地上目標追跡とか防衛対象に接近中の爆撃機が雲の中に隠れてるのを追いかけなきゃならんとか 難易度調整でどうにもならないギミックで無駄に難易度上げてるのがもうイライラにしかならないのが酷い。
キャンペーンのシナリオもなんかパッとしない印象がありました。 プレイヤーである主人公機「トリガー」はシナリオ中で 2 回転属することになるのですが、 2回目の転属以降でやっと活躍が戦況に影響し始めるものの、 そこからの戦況逆転〜敵首都陥落までの流れ、そもそも最初の転属のきっかけになった事件からして結局黒幕の手の平の上で 勝とうが負けようが世界の動向は同じ結果になったであろうモヤモヤ感が半端ないです。
後、根本的なシナリオが 04、5 の知識が前提になっているのに作中でそのあたりの経緯がかなりサラっと流されてしまってるのが気になりました。 あまり事細かに説明を入れてもわざとらしくなりすぎるので仕方ないとは思うのですが、作中の雑誌記事のスクラップといった体で ゲーム進行に応じてシーンビューアから見られるようにすればいいのにと思いました。
画像はミッション 1 終了後に流れるオーシア (プレイヤー側)、エルジア (敵側) のニュース番組ですが、 PC の高解像度の映像でこういう作中世界の動向が見られるのかとワクワクしたのですがこういう凝ったことしてるのはここだけで本当にガッカリしました。 報道番組やニュース記事といった形で世界の動向を見せつつ、ネットで検索した体で固有名詞などの用語集も統合した AC3 のデータースワローが本当によく出来ていたと今でも思いますね。